爽やか王子と内気少女…その後は?





「このままでカオリンは良いの?」


突然の第三者の声が、
カウンターに向かって座る私と弥生ちゃんの間から聞こえて、
驚きのあまり、2人して自分たちの間に座る人物を見ながら後ずさりする。




「はっ……浜田さん…」

そこに居たのは、昨日まで緊迫した関係だった浜田さんで。

永井君と別れた事がいっぱいいっぱいで、まだ浜田さんとの話をしておらず、訳の分からない顔の弥生ちゃんは「何でもここに居んの!?」と喧嘩腰で浜田さんを睨んでいる。





「カオリン、『浜田』って他人行儀だから『美知流(みちる)』って呼んでって言ったじゃん!!」


昨日まで知っていた浜田さんの顔とはがらりと変わって、拗ねた顔をする美知流ちゃん。

突然の変化で驚くが、それだけ心を許してくれると思うと、むず痒い。





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