爽やか王子と内気少女…その後は?




「……まあ、納得出来ない部分はいっぱいあるけど、今はそれは置いといて…」


美知流ちゃんの事を弥生ちゃんに相談しなかった事について、
弥生ちゃんは「馬鹿香!」と怒ったが、最終的に私が美知流ちゃんへ言った事を知り、「そっか…」と心を撫で下ろした。


そして、美知流ちゃんとの事を把握した上で警戒心を和らげて話が戻された。




「浜田さんと同じ事私も思ったんだけど……
香はこのままで良いの?」





『このまま』……

それは、別れたまま永井君が転校する事……
そうすれば、もう会う事も無くなる。







「永井君がそれを望なら……」

私がそう答えれば、


「馬鹿じゃないの!?」


とハッキリ言った弥生ちゃん。



「永井の事を聞いてんじゃないの!
私は、あんたの気持ちを聞いてんの!」



弥生ちゃんは私の頭を突っつきながら鋭い言葉を投げる。



それは、他の人なら喧嘩になるかもしれないけど、私には心に突き刺さって、弥生ちゃんの想いが痛い程伝わる。



 
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