爽やか王子と内気少女…その後は?
「……っ!」
暫くして返ってきたのは…
『ごめん。荷造りで忙しいから』
という断りの文章。
付き合っていた時には暖かかった文章が、今では冷たく刺さる。
それでも負けてられなくて…
勇気を出してボタンを押す。
たまにはしつこくなっても良いじゃない。
それで気持ちが変わるなら…
2人で笑って話せるなら…
「…っ、はい…」
耳元に聞こえた永井君の声は、
聞いたことが無いくらい低くて冷たかった。
「あの…新垣です。忙しいところごめん…
どうしても聞きたくて…
別れた理由を知りたいの!」
切られてしまう前にと、一気に言った言葉。
言い終われば、少しの沈黙の後、永井君がゴクリと唾を呑み込む音が聞こえた気がした。
そのまま永井君の言葉を待つ。