誰よりも愛してくれなきゃ××
─…待った
心愛ん家と俺ん家を仕切る、真っ白い何本ものポール状の柵
それは俄然俺より背が低く、乗り越えるのは簡単だった
けど、その先。
心愛の部屋らしき窓を前にして、俺の勢いは停滞した
─…どんな顔して、会えばいいんだ
こんなこと考える柄じゃねーのに、頭をよぎった
─…会いてぇ
いつもそんな想いばっかだった
だけど今は
『なんとも想ってないくせに、キスなんかしないでよ…っ』
アイツの泣き顔が
震える唇が
それを妨げる