誰よりも愛してくれなきゃ××
─…
──…
不思議だったんだ。
なんであんなに心愛も奏斗くんも
感情を剥き出しにしてたのか。
「さぁーてと。そろそろいい時間かな??」
─…PM19時30分
チク、タク、と、時を刻む秒針
もう随分ソワソワして落ち着かず、気を紛らわす為に見ていたDVDのスイッチを切る。
流してただけで内容は頭に入ってないから、来週また仕事が休みの時にでも見なくちゃな。
1人自室で微笑を溢して、クローゼットから取り出したコートを羽織る。
「あらぁ??なぁに?これから出掛けるの??」
「あぁ。ちょっと、ね。出てくるよ」
リビングを抜ける際、顔を出してきた母さんに捕まらないようにと、急いで外の空気に触れた。
あちらこちらクリスマスムードの街に、なんの躊躇いもなく歩いてゆく。