誰よりも愛してくれなきゃ××
「ちょぉーっと練習を、ねっ!
お姉ちゃんに負けてられないからねー!」
自分を取り巻く黒い影を吹き飛ばすように、ほんの少しの本音を混ぜて、明るく言い放つ
「は?なんで勝負すんだよ?お前はお前じゃん?ヒカリはヒカリだろ」
「……この、天然鈍感ばかっ」
「はぁ?お前今なんつった?」
「へへっ!べっつにー?」
──…
─────…
きっと、あの頃の奏斗は
今よりだいぶ幼くて、少し大きめの学ランに身を包んだ、奏斗は
何の気なしに言ったセリフ
単純に、
『んで姉妹が勝負すんだよ?』
みたいな。そんな思考で。