改訂版・時間よ、止まれ。
華恵と別れて、私は自分の家へと帰った。
部屋に入り、今日買った物とバッグを机の上に置いて、そのままベッドの上に座った。
そして、ポケットから携帯を取り出した。
うちの中学は携帯禁止だから、学校に持っていくことはないんだけど……
夏休みに入ってすぐ、優祐も携帯持ってることを知って、お互い連絡先を交換したんだよね。
それからは寝る前にメールすることぐらいしかしなかったんだけど…
さすがに夏祭りのお誘いとなると、直接電話した方がいいよね……?
私は携帯の画面に、優祐の名前と番号を表示させた。
これで通話ボタンを押せば、すぐに優祐の電話につながっちゃう。
そう思うと、少し緊張してきた。
付き合ってるのに、こんなに緊張することってあるんだ…。
優祐、ちゃんと電話に出てくれるよね?
私、大丈夫だよね?
自分で自分の問いに深く頷いて、私は意を決して通話ボタンを押した。
そして素早く電話を耳にあてた。
ドキドキドキ……
心臓の鼓動が、速くなってる。
私は胸を押さえながら、受話器に耳を傾けた。