改訂版・時間よ、止まれ。





『市川もサッカー部だったからな。クラスは一緒になったことないけど、結構色々話してるから』



「そうだったんだ…」






市川くんと優祐が友達ってことか。





妙に納得。






『そうそう。俺もさおりに話したいコトあって…』



「え?何何?」



『えっとな、今月末に夏祭りあるだろ?……一緒に行かないか?』



「……え?」








…ウソ。



私も優祐に同じこと言うために電話したのに。





まさか優祐の方から誘われるなんて……!








『…もしかして、都合悪い?』






驚いてしまってしばらく何も言えなかったら、優祐からそんな風に聞かれてしまった。






…しまった。



電話だから、黙ってたんじゃ分からないんだ。






「ううん!違うの。…私も優祐と同じことが言いたくて、電話したんだよ」



『え?夏祭りの誘い?』



「そう。だから、もちろんOKだよ!!」



『やったーーー!!いやマジで誘うの遅すぎかと思っててさ。昨日市川が夏祭りの話してくるまで、すっかり忘れてて』



「私も、華恵に言われるまですっかり忘れてた」






…あれ?



優祐が市川くんに夏祭りの話をされて、私は華恵から夏祭りの話を聞いた……。






あのカップルにしてやられたってこと!?





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