改訂版・時間よ、止まれ。








『はははっ!マジでそうかもしれない。市川、サッカーのゲームでも策略家だからやりかねないし』






私がさっき思ったことを言ったら、優祐からそう返ってきた。






「市川くんまでそうか分かんないけど、華恵は確かに変なとこまで気ぃ回してくるもんなぁ」



『ああ〜、俺達の内部事情まであれこれ言われたんだろ?』



「あっ、あれは……」






私の頭の中で『内部事情=キス』、になっちゃって、キスの場面を思い出してしまった私の顔は熱すぎるくらい火照り始めた。






本気で電話で話してて良かった……。





こんな姿、見せられないよ。








『俺の予想だとたぶん今、さおりはかなりテンパってんな〜。マジで面白いし』



「またからかわないでよー」



『油断するなって言ったろ?ま、今日はこの辺で許してやろう』



「なんで上から目線?」



『あっ、明日補習あんじゃん。もちろん行くだろ?』



「話そらさないでよ〜。行くよ、補習」



『よし。じゃあ明日、学校でな』



「うん。また明日ね」






私達はそう言って電話を切った。








さっきの会話を思い出して、思わずニヤついてしまった。





…たまには電話もいいかもしれない。






私は明日の補習で優祐に会えることを楽しみにしながら携帯をまたポケットにしまった。













――
―――――

< 105 / 236 >

この作品をシェア

pagetop