改訂版・時間よ、止まれ。
「……あっ、ミツルくんだ♪」
「ちょっと華恵、先生に見つかっても知らないよ〜」
「夏休みなんだからいいじゃない。普段は持ってきてないんだし」
「…見つからないことを祈ってるよ」
その携帯の持ち主の華恵は嬉しそうに、さっき届いたメールの内容を確認し始めた。
「…ミツルくんも補習終わったのか。『一緒に帰らない?』だって。でも、さおり放っとけないしなぁ……」
「いいよ。華恵、市川くんと帰ったら?」
「いやいや!!友達の一大事にサポートできない女にはなりたくないよ。……あっ、そうだ。さおりも一緒に帰ろうよ」
「えっ!?二人の邪魔になるだけじゃない?」
「ううん!さおり、ミツルくんのこと、あんまり知らないんでしょ?この機会だから、ちゃんと紹介するよ」
「でも……」
…と、言いかけたんだけど、すでに華恵の中では3人で帰ることが決定しているみたいで、すぐさま携帯のボタンを押してメールを作り始めた。