改訂版・時間よ、止まれ。





「『新井の彼女のさおりを紹介したいから、3人で帰ろうよ』っと。これでオッケー♪」




「ええー!?もう送信しちゃったの?」




「だって、このままじゃさおり、遠慮して一人で帰るでしょ?ミツルくんと新井は同じサッカー部の仲なんだから、もしかしたら何で今日新井が来てないのか分かるかもしれないよ?」




「優祐そんなこと、市川くんに言ってるかな…?」




「そうじゃなくてもミツルくんは頭がいいんだから!何かいい知恵くれるかも!『三人寄れば文殊の知恵』ってね♪」




「…それ、3人で一緒に考えて案を出す時に使うんでしょ?市川くんに知恵求める場合に使うもんじゃないんじゃ…?」




「まー何でもいいじゃん。あっ、メール来た。『いいよ。靴箱で待ってるね』だって。…ということで、さおり行くよ!!」




「ちょっと待ってよ、華恵ーー!」






華恵が嬉しそうに携帯をしまって教室から出ていくのを追うように、私は自分の荷物を慌ててカバンに詰め込んで教室を飛び出した。












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