改訂版・時間よ、止まれ。
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華恵と市川くんカップルと別れて、家路に着いた途端、不意にまた寂しさがこみ上げてきた。
夏休みになってから、優祐に1日ぐらい会えない日なんてたくさんあった。
だけど、『明日会おう』って言ってたのにその約束が破られることは、今回が初めて。
優祐……。
私、とても不安で仕方ないよ。
家に帰って、私は優祐に電話をかけた。
プルル…
プルル…
でも何度かけても、聞こえてくるのは機械的な呼び出し音ばかりだった。
夕方ぐらいまで電話をかけ続けたけど、優祐は全然電話に出てくれなかった。
まさか、電話にすら出てもらえないなんて…。
何があったんだろう?
せめて、電話に出てほしい。
優祐の声が、聞きたいよ。
私はベッドに座り、静かにため息をついた。
…もう一回、電話してみよう。
私は携帯の発信履歴の一番上にあった、優祐の名前と番号を画面に表示させた。
優祐…、今度こそ、電話に出て…!
私は通話ボタンの上に、自分の親指を重ねた。
そして、ボタンを押そうと思った、その時──