改訂版・時間よ、止まれ。
♪〜♪〜♪〜
私の携帯から、着信音が流れ出した。
慌てて画面を見ると……
[着信中]
新井優祐
え…っ!?
優祐から電話?
私は慌てて通話ボタンに置いていた親指に力を込めて、その電話を取った。
「もしもしっ!?優祐?」
『あ…、さおり……』
良かったぁ…。
優祐の声だ。
だけど昨日聞いた声よりも、元気がないように感じる。
「優祐…、どうしたの?体調悪いの?」
『いや……、ごめん。補習行くって言ったのに。電話も全然取れなくて……』
「…元気なの……?」
『ああ、ちょっと事情があって…』
「事情?」
やっぱりあの後、何かあったんだ。
そんな、補習すら来れなくなるほどの事情って…?
『…あのさ、今からちょっと話せないか?』
「今から?」
『ああ。学校の近くに公園あるだろ?あそこで待ってる』
「分かった。すぐ出るよ」
一体、どんな事情があったんだろう?
それよりも……、声に元気のない優祐が心配。
早く、優祐の顔が見たいよ。
私は電話を切ってすぐに、携帯だけをポケットに入れて、家を飛び出した。