改訂版・時間よ、止まれ。
「別れたくない。……私、優祐と別れたくないよ!!」
私の涙声が、公園に響く。
でも、この気持ちを抑えることなんてできなかった。
「やだよ、転校なんて…!約束したのに…。一緒の高校行くって。私、一生懸命補習行って勉強してるのに…!!」
一度出た涙は、止まることを知らない。
まるでダムが決壊したみたいに、涙が次々とあふれてくる。
「ゆう、す……っ!行かない…でっ!」
もはや言葉にならないくらい、私はしゃくりあげて大泣きしてた。
なんで、こんなことが私達の間に起こるの…!?
「俺だって…、俺だって悔しいから!!」
ずっと黙っていた優祐が、うつむいたままそう叫んだ。
「え…?」
「こんなとこで、二人の夢が終わるなんて思いたくなかった。何でこんな時に転校なんだよ…っ!!」
すごく苦しそうにしぼり出てきた、優祐の声。
その声を聞いて…、もしかしたら一番悔しく思っているのは優祐じゃないのかと思った。
「さおりと別れることなんて、考えたこともなかった。楽しい日々が、ずっと続くと思ってた」
「優祐…」
優祐はまだうつむいたまま、ひざの上に硬い硬い拳を作った。