改訂版・時間よ、止まれ。





「夏祭りまでは、お互い気持ち整理するために連絡取らない方がいいか…?」



「…そうだね。私も色々考えたい」



「分かった。じゃあ夏祭りの前日に、待ち合わせの場所と時間連絡するから」



「うん…」






いきなりこんなことになって、いくら最後まで彼女でいてくれと頼まれても…





今まで通りに優祐と楽しく会話できそうにないと思った。





どうしても、別れを考えてしまう。





それはどうやら、お互い薄々気付いていたのかもしれない。





ぎこちない会話が途切れた後、優祐とつないでいた手が自然に離れた。






「なあ、さおり」



「…何?」



「ちゃんと補習には行けよ。俺とのこととかなくても、今勉強しなかったら、後で本気で困ることになるだろうから」



「心配してくれて、ありがとう」






優祐のいない学校なんて、行けないと思ってた。





そんな気持ちを、優祐は察してくれたのかな?





私を本気で心配してくれる気持ちだけは、確かに伝わってきた。






どうしてこんなに私のことを考えてくれてる人と別れなくちゃいけないんだろう…?





私だって…、もっともっと優祐とのことを考えていたかったのに。







こんな、想い合ってるのに──。





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