改訂版・時間よ、止まれ。
―――――
――
「えええっ!?新井転校するの?ウソでしょ!?」
優祐とこんなことがあっても、補習は待ってくれない。
再び補習の日がやってきて、私はとりあえず優祐に言われたとおり、嫌々ながら学校に行った。
補習中もあまりに元気のない私にただならぬ事情を感じたのか、華恵が一緒に帰ろうと誘ってくれたんだけど…
補習の終わった後の、誰もいなくなった教室。
私はまだショックを引きずっていて、席から動けないでいた。
優祐のいない教室が、すごく空虚に感じるよ……。
靴箱で待ってもなかなかやってこない私を心配して、華恵が市川くんと教室まで戻ってきてくれた。
「…転校か。それで電話した時、あんな暗い声だったんだな」
せっかく心配してくれた二人の気持ちを強く感じたから、私はポツリポツリと、あの公園での出来事を話した。
「…市川くん、優祐に電話してくれたんだよね?ありがとう。……優祐、転校のこと市川くんに話したのかと思ってた」
私の言葉に驚く華恵と市川くんを見て、ますます優祐の転校をリアルに感じざるを得なかった。