改訂版・時間よ、止まれ。





「だから、何も考えずに、楽しい気持ちのまま新井を送り出してきたらいいと思うよ。きっと新井は、そう望んでいるはずだから……」



「…ありがとう、市川くん」



「新井の友達としても、新井の気持ちを無駄にしないでやってほしい。……そろそろ帰ろうか。はなちゃん?大丈夫?」






私が市川くんにお礼を言うと、市川くんは照れたようにうなずいて、華恵の背中をさすり始めた。





華恵は涙をぬぐいながら、ゆっくりと私の身体から離れた。






「さおり……、私、何があってもさおりの味方だからねっ!」



「華恵も、泣いてくれてありがとう」






私は華恵の身体を市川くんに預けて、自分のカバンを取り出し、荷物の片付けを始めた。













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