改訂版・時間よ、止まれ。
約束の花火
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data:20XX/08/2X 19:35
from:新井優祐
sub :無題
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明日、午後5時に
学校の近くの公園で
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このメールが届いた翌日の午後4時45分、私は優祐に指定された公園の中にあるベンチに座っていた。
この前、優祐と話をしたベンチ。
…切ない出来事しか思い出せない。
私は持っていた巾着から、小さな手鏡を取り出した。
……髪型とか、おかしくないよね?
実は私は今、浴衣を着ている。
こんなつもりじゃなかったんだけど、華恵から「着て行きなよ」って勧められて、渋々家にあった、黒地に小さな花が散りばめられた柄の浴衣を着て行くことになってしまった。
軽く前髪を直した後、手鏡をまた巾着にしまって、私は空を見上げた。
昼間とは違って涼しい風が、アップにした私の髪を揺らした。
…夕暮れだ。
前に優祐と会ったあの時も夕方だったけど、その時よりも確実に昼が短くなった。
もうすぐ秋なんだ。
そして、もうすぐ優祐はこの街から去っていく──。
静かに目を閉じて風を感じていたら、後ろから足音が聞こえてきた。