改訂版・時間よ、止まれ。
えっと……、その言葉、『頑張るよ!』につながらないよね、日本語的に。。。
しかも私、優祐と別れてるんだけど。
…と、心の中で突っ込んでみたけど、気付いていない斉藤さんは、笑顔で言った。
「お互い頑張ろうね!じゃーねー!!」
斉藤さんは爽やかに笑顔で手を振って去って行ったけど、私は斉藤さんに言われた言葉の意味が分からなくて、力なく手を振りながら、その場に立ち尽くした。
「……さすが、斉藤さんだね。相変わらずというか……」
横から華恵にそう言われるまで、我に返ることすら忘れるところだった。
「優祐をよろしくって言われたんだけど……」
「まだ付き合ってると思ってるんじゃない?実際元新井ファン達の間でも、『遠距離続いてるんじゃないか』って話してる子もいるみたいだし」
「そうなんだ…」
思ったより私と優祐が別れたことを知られてなくて、良かった気もするけど…
いざこうやって『優祐をよろしく』なんて言われると、切ない気持ちしかこみ上げてこない。
「行こう、さおり。先生に報告するんでしょ?」
「うん、行こうか」
私は華恵に促されて、中学校へ向かった。
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