改訂版・時間よ、止まれ。
でも…、そんなサッカーすごい学校なら、中学校の時なんて比じゃないぐらい、ものすごい練習量なんだろうな。
…今も連絡すら取ってないけど、ますます会える機会は減ってしまう。
「まあ、こっちはこっちで新井に負けないぐらい頑張らないとな」
「そだね。ほら、さおりも元気出して!!」
「うん…。本命には落ちちゃったけど、立ち止まってる場合じゃないね」
市川くんはM高の普通科特進コース
華恵はM高の普通科英語コース
私はM高の商業科
…そして優祐は、K高校でサッカー。
みんな同じラインに立っていたはずなのに、いつの間にかちょっとずつ、違う目的に向かって歩き始めてるんだね。
私も、次に優祐に会えた時、自分に恥じないような生き方をしよう。
優祐と約束したから。
自分のやりたいように、自分らしく生きるって。
華恵と市川くんと家の前で別れて、私はふと空を見上げた。
つぼみの膨らんだ桜の枝の間から、きれいな青い空が見えた。
もうすぐ春が近付いてるんだね。