改訂版・時間よ、止まれ。
―――――
――
「華恵!ごめーん。待たせたね」
「いいよいいよ。実は私も来たばっかりなんだよね」
「今日はどうする?」
「この前ミツルくんとデートしてた時、可愛いカフェ見つけたんだよね〜。そこに行こうよ」
「へぇ〜。楽しみ♪」
放課後。
私は校門の前で華恵と待ち合わせていた。
「でもさおり、こんな時間まで大変だね。私は図書委員で残ってたんだけど…」
「うん。数学の課題忘れて先生に呼び出されちゃってさ、そしたらその場で解けって言われて…」
「はははっ、さおりホントに宿題よく忘れるよね」
「華恵だって人のこと言えないじゃん」
「私?最近はそんなミスしなくなったよ。大学行きたいからね」
「…大学かあ。すごいな。私、全然考えてなかった……」
「目指せ、ミツルくんと同じ大学!…は、無理かな?」
華恵は普通科の英語コースにいるから、商業科の私とは当然別のクラス。
だから、高校になってからは月に1回ぐらいしか会えなくなっちゃったんだよね。
同じ学校に通っているというのに。。。
「…あれっ?井上さん?まだ帰ってなかったの?」
「あ、中原くん」
華恵と歩き出そうと思ったら、ちょうど自転車で校門をくぐろうとしていた中原くんが驚いた顔でこっちを見ていた。