改訂版・時間よ、止まれ。
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「イッエ〜〜〜イ♪ついにやってきたぜ、修学旅行!!」
「和幸…。アンタその前の期末テストの存在忘れてるでしょ?」
6月に入ってすぐのHR。
私達のクラスは7月の修学旅行のため、班分けをすることになった。
うちの学校は私立で、他の学科は外国に修旅に行くところもあるらしいけど、何故かうちの商業科は関東方面。
だけど意外にも班分けは適当で、二人以上同性がいれば、あとは一班に何人いてもいいらしい。
……というわけで、私はおなじみのメンバーである美奈とサンタと中原くんと、4人で班を組むこととなった。
早速テンションマックスのサンタを抑えながら、美奈は話を始めた。
「とりあえず班長決めないと。あとは自由行動どこ行くかとか?」
「そうだね…。班長、誰がいいかな?」
と、私もメンバーをグルリと見回してみる。
サンタは暴走しそうだからパスだけど、美奈や中原くんなら落ち着いてるし安心かな?
すると、それまでニコニコしながらサンタと美奈の会話を聞いていた中原くんがおずおずと手を挙げた。
「…俺、班長やりたいんだけど。いいかな?」
「え?中原?うん…いいよね、さおり?」
「うん。中原くんなら大丈夫じゃないかな?」
びっくりした…。
中原くんが班長に立候補するなんて。
確かに適任だとは思うけど、自分から言うなんて、ちょっと意外な気がした。