改訂版・時間よ、止まれ。

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「はあ…、和幸のヤツにしてやられたわ。東京タワーなんて全然興味ないのに…」



「まあいいじゃん、たまには。私は行ったことないし」



「だいたい一緒に行く相手がいとこってあり得ないんだけど!」






その日の放課後、私は美奈と一緒に帰った。






まだ東京タワーに納得いってなかったんだ、美奈……。






「やっぱ行くならスカイツリーでしょ。さおりもそう思わない?」



「スカイツリーも東京タワーも確かにムードあるよね。デートで行きたいかも」



「まあ何でもいいけどさぁ、誰も彼氏彼女いないのにデートスポット見学なんて、何かショックかも」






美奈……



ホントに男子とか彼氏とかの話題、好きじゃないんだ…?








「そう言えば美奈って、恋の話とかしないよね?」



「え?私?男なんて興味ないよ」



「そうなの?誰か告られたりとかは…?」



「あー…、何人かいたような気はするけど…」






すごい。





美奈はメイクとかしなくても色白でアジア系のきれいな顔だし、モテないわけはないと思ってたけど……





告られたのが美奈の中では遠い記憶になってる。






でも『男に興味ない』ってバッサリ斬っていく美奈は、女の私から見たらカッコイイかも。





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