改訂版・時間よ、止まれ。





私は結局まだ優祐が頭から離れなくて、そんな風に思うことなんてできない気がする。







『俺のことなんて気にしないで、自由に生きろ』なんて…。







この前、優祐の最後の言葉に込められたメッセージに気付いてしまったけれど、そんなことを思っていてくれた優祐に私はまたときめいてしまったんだ。






これじゃあ、優祐の希望通りにもならないし、私も苦しくて仕方ない。






だけど…、苦しくても想っていたいなんて。





なんでだろう、そう思ってしまうんだ。






「…どうしたの?急に黙り込んじゃって…」



「え?あっ、…ごめん」






美奈に声を掛けられるまで、つい優祐のことを考えてしまっていた。






私、ダメだな…。





でも、これが私の本当の気持ちだから。






「美奈は片想いってしたことある?」



「片想い?ないなあ…。そもそも男に興味ないし」



「…だよね」






美奈に話そうかなと思ったけど、やっぱり話すの止めようと思った時、急に私の肩に美奈の手が乗った。






「私じゃ役不足かもしれないけどさ、話ぐらいなら聞けるから。話したくなったら言っていいよ」



「うん…。ありがと」






優しく微笑んでくれた美奈に、なんだか救われた気がした。






だから私は、少しだけ話してみようと思った。








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