改訂版・時間よ、止まれ。

修学旅行は不安と共に


―――――
――










7月に入ってようやく期末テストが終わり、修学旅行に旅立つ日がやってきた。





4泊5日の旅行。





私ももちろんだけど、クラスのみんな浮足立ってるのがすごくよく分かる。





みんなのテンション、いつもと全然違うし。






「サンタのやつ、やっと寝たよ。ホントうるさかったなー」



「昨日も嬉しくて寝れなかったらしいよ。小学生じゃないんだから」



「隣の席で大変だったね、中原くん」






新幹線に乗った途端、駅までのバスで一際はしゃぎまくっていたサンタが眠りこけてしまった。





そしてサンタの隣の席にずっと座っていた中原くんがくたびれた顔で私と美奈の席までやってきた。






「なぜか俺が先生に怒られるし、散々だったなー」



「はははっ、班長の宿命だね〜」



「中原くんもちょっと休んだ方がいいんじゃない?」



「ああ、そうだね。じゃあ俺戻るわ」



「ちょっと待ちなよ」






美奈はまた自分の席に戻ろうとした中原くんを呼び止めると、立ち上がって通路に出た。






「私トイレ行ってくるから。それでそのまま中原の席に戻るよ。だからここで休んだら?」



「えっ!?ちょっと美奈?」






ななななな、何言ってるの!?






私と中原くんを隣同士の席にするなんて……





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