改訂版・時間よ、止まれ。
すると美奈は、軽くため息をついた後、意を決したような表情をした。
「和幸はね、一人で世話してたら疲れるから交替で見てないといけないんだよ。だから今度は私が見といてあげるから。安心して休みなよ、中原」
「あ、ああ……、サンキュ」
美奈の言っていたことが本当かどうかは分からないけど、その行動に悪意がないことだけは分かった。
美奈は私に微笑んだ後、トイレのある方向に歩いて行った。
そしてその後、美奈のいた席に中原くんがゆっくりと座った。
「なんか…、ごめんな。やっぱり女子同士の方がいいよな…?」
「ううんっ!!そんなこと…。確かにずっとサンタまかせてた私達も悪いし。今度は私がサンタの相手するよ」
「ははっ。無理しなくていいって。やっぱりサンタは近藤さんにまかせてた方が安心だな。なんてったっていとこだから、小さい時からお互いよく知ってるし」
「美奈は嫌がってるみたいだけどね…」
あんなこと言ってサンタのこと煙たがってるけど、周りのことも気にしている美奈がちょっとすごいと思った。
私はあんな風にできないかも……。