改訂版・時間よ、止まれ。
「ところで井上さん、いつも漫画貸してくれるじゃん。だから今度は俺の漫画読んでみない?少年漫画とか興味ある?」
「あ…、うん。中原くんのおすすめなら、読んでみようかな」
「良かった。旅行だからあんまり持ってこれなかったけど、これはどう?一応人気漫画を選んでみたんだけど…」
「あー、知ってる知ってる!アニメもあるよね?でも漫画はちゃんと読んだことないかも…」
「じゃあ読んでみてよ。アニメも面白いけど、やっぱりこの作品は漫画なんだよなー」
私は中原くんに薦められるまま、少年漫画の単行本を手に取った。
かなり読み込まれているみたいで、カバーも少しよれていた。
「ありがとう。今日寝る前に読んでみようかな」
「もし面白かったら言って。3巻までなら持ってきてるから」
「中原くん荷物軽そうだったのに、ホントよく持ってきたよねー」
私がそう言って感心していると、中原くんはふっと微笑んだ。
「こうやって井上さんと話すのも楽しいな。俺、ホントに井上さんと同じ班で良かったよ」
「えっ!?」