改訂版・時間よ、止まれ。





何か…、そんなこと言われると、ドキッとするじゃん。





しかも私、別にすごいこととか言ってないと思うんだけど……







「いや…、何かごめん。びっくりさせちゃって。深い意味はないから」



「こっちこそ、ごめん。…私もこうやって漫画のこと話せる人がいるって、結構嬉しいよ」






そうか、きっと男子だと思うから身構えちゃうんだ。





友達だもんね、中原くんは。





そうだよ、友達なんだから……







「そうだな。井上さんと漫画の話するのが毎日の楽しみみたいになってるからな。この前の漫画も面白かったよ。何かすげー切ない恋だよな。俺、ああいう経験ないから…」



「あっ、うん。切ないよね。好きなのに離れちゃうなんて…」






…ってあれ?





あの中原くんに貸した漫画って、私のした経験と似てる…?






こうやって内容を説明してると、ますます優祐のことが頭に浮かんでくる。






「俺、やっぱり好きなのに離れるとか分かんねえな。俺の経験不足なだけかもしれないけど…」



「うん。私も……、分かんないよ」






今だって…、何で優祐と離れたのか、分からないでいるんだから。






「だいたい、こんな女の子を悩ませるようなこと、俺なら絶対しないのに」



「…中原くん……?」





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