改訂版・時間よ、止まれ。
こんな漫画の内容を熱く語るなんて…。
感想を言い合うことはあっても、こんなに真剣に恋愛観について語るなんて、中原くんにしては珍しいかも。
私の珍しがる視線に気付いてしまった中原くんは、「いけない」と首を振って私に笑顔を見せた。
「ごめんごめん。でも女子ってこんなに悩んでるもんなんだな。勉強になるよ」
「まあ…、フィクションだからね。こんな風に恋に悩んでいる人も一部だと思うよ」
…と言ってみるけど、私もこの一部の女子の一員なんだよね。。。
「そ・ん・な・こ・と!言いながら〜〜〜ぁっ!!実は井上も恋に悩んでんじゃない???」
「サ…、サンタ!!びっくりしたぁ〜。起きてたの?」
私達が話をしている後ろから、いきなりサンタの顔がニョキっと出てきた。
…てか、そこの席、他の班の人が座っていたような…。
「つーかマジびっくりしたんだけど!起きたらヤスじゃなくて、美奈っちがいるんだもんな〜」
「サンタ、美奈はどうしたの???」
「美奈っち〜?気持ちよーくお休みのご様子だったから、放ってきた」
「ええ〜っ!?」
美奈…、寝ちゃったんだ。。。
これじゃあ何のために席を移動したんだか分かんないよー。
「それよりさぁ、さっきの続き!!井上って好きな人とかいるの?そーいや美奈っちも井上もあんま恋バナとかしねーよなー?」
「わっ、私のことはいいんだって。今は漫画の話してたんだから」
「なー、ヤスも気になるよなぁ?」
「俺?そうだな……」
てか、サンタも中原くんも、全然私の話無視してるじゃん!!