改訂版・時間よ、止まれ。
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それでもサンタの話に対するショックは、自分でも驚くぐらい大きかったみたいで……
新幹線を降りてから、国会議事堂を見学したんだけど、その時の記憶が全くなかった。
確かに私のノートには見学した感想とかびっしり書き込んであったのに。
私の記憶だけが、すっぽりと抜けていた。
「さおり、ずっとボーッとした感じだったね」
「え?」
ようやく宿泊先のホテルに着いて、自由時間になった。
私は美奈と二人部屋。
荷物を整理していると、美奈が私に話しかけてきた。
「…そうかな?いや、そうかも。私、何だかおかしいよね」
「やっぱり和幸の話のせいでしょ?アイツのいとことして謝るよ。ホントごめん」
「ううん。私が悪いんだよ。私が弱いから……」
「別に私、さおりが弱いなんて思わないよ。むしろ、強いんじゃない?」
「え?私が…?」