改訂版・時間よ、止まれ。
そう言った後、美奈はカーテンを全開にした。
それまで薄暗かった部屋に、思いっ切り太陽の光が降り注いできて、まぶしいぐらい明るくなった。
「和幸の話聞いただけで、目に見えて落ち込んでたから。…でも私、前にも言ったよね?苦しむだけ苦しんだらいいって」
「そうだね…」
「何を言われても、自分の想いだけは大切にした方がいい」
美奈はそう言ってから、コーヒーを味わい始めた。
それから特に会話はなかったけど、美奈の言いたいことはとても伝わってきた。
サンタにあんな話を聞かされても、私はやっぱり優祐を嫌いになんてなれない。
むしろ、気持ちは大きく膨らんでいくばかり。
どんな噂でも、たとえそれが悪口でも構わない。
優祐が元気でいてくれる証があるなら……
私は一人きりの道でも、優祐への想いだけで進んでいくことができるから。
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