改訂版・時間よ、止まれ。
「あれぇ〜?もしかしてさおり、新井のこと気になってる?」
「はっ!?そんなわけないでしょ!!」
「そぉ〜?『気になるオーラ』、すごい出てたよ?」
「何その『気になるオーラ』って?」
「恋する乙女が放つオーラで〜す♪」
「あー、ないない、そんなの」
即座に冷たく否定するけど、隣に座る華恵はニヤニヤしながら私の方を見ている。
「ホントは気になってるんでしょ?素直になりなよ、さおり」
もうっ!!!
華恵ってば、すぐけしかけるんだからっ!!
「気にならないしっ!新井なんて、私のタイプでもなんでもないんだから!!」
「え?」
はっ!
否定がワザとらしかったかな?
逆に華恵に怪しまれた…?
「そっか〜。ま、お互い恋愛頑張ろうねぇ〜」
ホントに新井のことなんて、1ミリも想ってないんだけど。
そう。
ウソは言ってない。
けど、まだ華恵にからかわれると予想してたから、あっさり引いた華恵の態度に少しびっくりした。
それから華恵は、新井の話題を一言も発することなく、自由行動の時間は終盤へと突入していった。
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