改訂版・時間よ、止まれ。
ホントに華恵は市川くんのことが好きなんだな。
片時も離れたくないって気持ち、すごく伝わってくるよ。
だけど……、『好き同士ならやっぱり一緒にいるべき』って思えば思うほど、私の気持ちが重くなる。
離れても、例えもう会えなくても、私は優祐への気持ちを貫き通すって、改めて決めた。
だけど、こう目の前でラブラブを見せつけられたらね……。
「井上さん、どうしたの?ため息なんてついて。修学旅行、面白くなかった?」
「あっ!ううん!そうじゃないよ!!」
ヤバイヤバイ。
ついため息なんてついちゃってた。
市川くんにまで心配かけちゃうよ、このままじゃ。
私が決めたことなんだから、私は私らしく行かないとね。
他人をうらやんでる場合じゃない。
「そんな風には見えなかったけど…ねえ、はなちゃん」
「うん、そうだよ!!何かあったんでしょ?中1からの長い仲じゃん。話してよ」
「華恵……」
二人が私のことをあまりにも心配そうに見つめてくるから、私は深呼吸をして、修学旅行にあった出来事をきちんと話すことにした。