改訂版・時間よ、止まれ。








「これがその手紙なんだけど…」




「あ、本当だ。確かに下の部分だけ、新しく書かれてるって感じだよね。ミツルくんも見て?」




「ああ、上のかすれそうになってる文字も、書き足された感じの文字も、どっちも確かに新井の字みたいだな。新井もあの時東京タワーにいたなんて……、嘘みたいな話だな」




「うん。私もまだ信じられないんだけど。でもこれが証拠だから……」




「でも井上さんも耳にしてたとはな。新井の女関係の噂……」




「…市川くん、知ってたの!?」






私が驚いてると、市川くんだけでなく華恵も申し訳なさそうな顔になった。






「ごめん、私も知ってた。ミツルくんから聞いて…。でもただのウワサだから、さおりの耳には入れないでおこうってミツルくんと話してたんだ」




「もう井上さんも知ってるなら、俺も隠さず話すよ。サッカーやってると、他県の高校とも交流試合したりするから、色んな噂を耳にするんだ。俺もその一環で耳にして……」




「そうだったんだ…」






サンタの作り話だと思ってたけど、本当にかなり広く知れ渡ってるウワサだったんだ……。







やっぱりショックかも。





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