改訂版・時間よ、止まれ。
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3年半後。
私は20歳になった。
無事にM高校商業科を卒業した私は、そのまま地元の本屋さんに就職した。
就職して、もうすぐ丸2年。
社会に出てあわただしい毎日を過ごすうちに、いつの間にかあの日が近付いていた。
そう。
あの約束の、成人式の日。
「ごっめ〜ん、華恵!待たせたね」
「ホント遅いよ、さおり。せっかく地元に帰ってきたっていうのに」
「でもお正月も帰ってたじゃない」
「う゛っ!そういうことは言わないでよー」
成人式が行われる前日。
仕事終わりの私は、職場の近くのカフェで華恵と待ち合わせていた。
華恵は今や立派な女子大生。
東京の私立大学の英文学科に通っている華恵は、去年の夏休みに念願だったホームステイでアメリカに短期留学していた。
みんなどんどん、自分の道を進んでいくなあ…。
「そういえば市川くんは?一緒に帰ってきたんでしょ?」
「うん。でもM高の同窓会があるって。そっち行っちゃったよ」
「そっかぁ。帰ったら帰ったで忙しいね」
「でも明日はずっと一緒だも〜ん♪」
「あいかわらずラブラブだね…」
市川くんも東京の大学に進学した。
M高でも常に成績トップクラスだった市川くんはもちろん、有名私立大学にストレートで合格。
今は法学部で司法試験の勉強をしてるとか言ってたような…。