改訂版・時間よ、止まれ。
私のM高の時の同級生はと言えば……。
サンタはあのキャラクターのおかげなのか、就職しても3か月ぐらいしか続かなくて、今もバイトを転々としながら優雅なフリーター生活をしている。
美奈は家の近くの小さな印刷会社で事務員として働いている。
この前会った時は、「周りがおばちゃんばかりでうるさくて大変」とか言ってたけど、仕事にはやりがいを感じているみたいで、生き生きと輝いて見えた。
そして中原くんは、地元の私立大学の経済学部2年生。
経済とかお金の流れを学ぶのが面白いらしくて、将来は金融関係に就職したいって言っている。
中原くんとは、2年生の修学旅行の時色々気まずいことがあったけど、今は友達として私を支えてくれている。
高校の時はほとんど4人一緒に行動していたけど、やっぱり私達もそれぞれの道を歩み始めている。
「さおりんとこの商業科は、進学と就職半々ぐらいだよねー。私の英語コースは進学か留学かって感じだけど」
「留学でも外国にいたんじゃほとんど会えないじゃん」
「はははっ!確かに。でも永住する人なんてほんの一握りだよ。いつかは同窓会もできるといいな〜」
そう笑った華恵は、ミルクがたっぷり入った紅茶を一口飲んだ。
私の元にも注文したキャラメルラテが届けられ、私もふうっと湯気を吹き飛ばしながらカップに口を付けた。