改訂版・時間よ、止まれ。

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まだ自由行動の時間は続いている。





でも、担任の先生から班長達の呼び出しがあり、私と華恵はその集まりに加わることとなった。






「これからレクリエーションの時間にしようと思います。それで、3班から提案があったんだけど、クラス全員で缶蹴りをしたいのですが……、3班の班長の佐藤さん?」



「はい、そうです」






担任の先生から話を振られた華恵は、ハキハキした声で班長達に説明を始めた。





「急な話でごめんなさい。だけど、クラス全員がワイワイ言いながら楽しめる遊びがないかなーって、3班みんなが考えてくれました」





私達他の班長は、フムフムと頷きながら華恵の話を聞いた。





「それで、鬼が一人だと捕まる人が少なくて、スリリングじゃないしつまらないと思うので、鬼は二人。しかも、逃げられるエリアをある程度決めれば面白くなると思うんですけど…」




「そうですね…。じゃあ班長で手分けして、逃げられるエリアの部分を木の棒で線引きしていきましょうか?」






華恵の話を聞いた担任の先生がそんな提案をすると、私を含め他の班長も同意をした。






「じゃあ、鬼は男子の班長がちょうど二人いるから、男子の班長で行きましょう。女子の班長はエリアのライン引きをお願いします」





担任の先生にそう言われ、私と華恵を含む女子の班長達は、その辺にあった木の棒を拾ってきて、ライン引きを始めた。





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