改訂版・時間よ、止まれ。

君の姿を探して


―――――
――












翌朝、本当に華恵が迎えに来て、私達は予約していた美容院へと向かった。






同じく成人式のために着付けやら髪のセットやらメイクやらのために若い女の子達で混雑する美容院の狭いスペースで、私達も振袖を着た。






髪もメイクもバッチリ決めて、ようやく美容院の人込みを抜けることができた。








「はぁ……、寒い」



「確かに昨日よりも体感寒いよね。でも私は着付けがきつくて……」



「私も。……あっ、雪………」






不意に、私の頬に冷たい物が落ちてきた。





何なのかと上を向くと、曇り空から一粒二粒と雪の欠片が落ちてきた。






「ねえ!初雪じゃない?積もるかなー」



「積もったところで華恵東京に戻るんでしょ?」



「あ〜、そっか。もしかしてそれよりも電車のダイヤ心配するべき??」






「ははは」と笑い合いながら、私達は雪が少しずつ強くなる道を歩き始めた。







華恵は艶やかな青い振袖で大人っぽさを感じる。





そして私はピンクに小さな花柄の振袖。





レンタル店で見た時、一目ぼれして即決したんだよね。





< 212 / 236 >

この作品をシェア

pagetop