改訂版・時間よ、止まれ。





「今日はめでたい成人式なんだから。せっかくみんな久々に会えたんだし、ケンカしたらダメだよ」



「そういえば……、市川くんに会うの、高校卒業してすぐの夏以来?今年の正月は帰らなかったの?」



「ああ…、帰ったんだけど三が日だけだったから、親戚回りで終わっちゃったな。最近講義やらバイトやら試験勉強やらで忙しくて…」



「2年生なのに大変そうだね」






司法試験合格を目指している市川くんは、大学に入学した時から司法試験のための講座で勉強しているらしい。





しかも、講座の受講料をバイトして稼いでるって……、すごすぎ。。。






「でも忙しくてもはなちゃんにはすぐ会える所にいるし、割と充実してるよ。勉強も楽しいしね」



「サッカーは?もうやめたの?」



「うん……、さすがに今はできないかな。余裕が出来たら、サッカー指導のバイトしてもいいかな」



「あっ、それいいね〜。やっぱりサッカーしてるミツルくんが一番カッコイイかも♪」






おそらく市川くんが小学生にサッカーを教えている様子を想像した華恵は、うっとりしながら市川くんを見つめていた。





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