改訂版・時間よ、止まれ。
「あっ、そうだ。私、デジカメ持ってきたんだ。せっかく3人揃ったんだし、写真撮ろうよ」
私がデジカメを取り出しながらそう提案すると、華恵も「私も私も♪」と言いながらデジカメを探し始めた。
そして近くにいた人に頼んでシャッターを押してもらい、私達3人は笑顔で写真に収まった。
その後も3人でグラウンドを歩きながら、中学の時の友達やクラスメイト達を見つけては写真を撮っていった。
「……やっぱりいないね。忘れてるのかな」
「どうしたの、華恵?」
一通り知っている人を見つけて写真を撮り終えた頃、華恵がキョロキョロと周りをうかがい始めた。
「ちょっと、さおりのためにやってるのに!!新井だよ。来るんでしょ?ここに。何やってんのかなー」
「え……」
もしかして華恵、このウロウロしている間にも、優祐のこと探してくれてたの…?
私もいないなとは思ってたけど、そんなしっかりとは探してなかったから、華恵の真剣さに少し驚いた。
「新井かぁ。でもあと5分もしたら受付も始まるし、さすがに招待されてなければ式典には出れないはずだから、来るとしたら式典の後じゃないかな?」
市川くんももちろん、華恵から聞いて私と優祐との約束のことを知っている。
市川くんも顔をキョロキョロさせながら優祐の姿を探してくれた。