改訂版・時間よ、止まれ。
二人の後ろ姿が見えなくなったところで、私は小さく息を吐いた。
まだ少し、雪が降り続いている。
吐く息ももちろん、白くなって出てきた。
ついに…、一人になっちゃったな。
しかもグラウンドにスーツや振袖の人達があふれ返っていたはずなのに、少し人数が減り始めた気がする。
もうみんな、帰るんだな……。
人が少なくなって優祐を探しやすくはなったけど、それでも私は優祐の姿を見つけられずにいた。
これだけ探してもいないんだ、きっともう来ないんだよ。
そうだよ。
優祐はきっと、5年も前の約束なんて忘れちゃったんだ……。
深いため息すらも、白くなって出てくる。
私もそろそろ帰ろうか…と、校門に足を向けようかと思ったその時だった。
私の真後ろから、ジャリジャリ……と、足音が聞こえた。
あれ?
私の後ろに人なんていたっけ?
そう思ったと同時に、その足音の主から私を呼ぶ声が聞こえてきた。