改訂版・時間よ、止まれ。
最後の誓い
「…さおり?」
確かに、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
少し低くなった気はするけど、間違いなく聞き覚えのある声。
もしかして……、優祐!?
そう思った瞬間に、心臓が跳ねた。
そして、速くなっていく鼓動。
私は胸に手を当てて、気持ちを落ち着かせながら、ゆっくり声のした後ろの方に向いた。
緊張する…。
本当に、この瞬間が来たんだ──。
振り返ると、そこには茶髪で背の高い、スーツを着た男の人が立っていた。
だけど、顔だけは5年前のあの面影のまま。
…間違いない。
優祐だ………。