改訂版・時間よ、止まれ。
「優祐…?」
私がそう問い掛けると、彼は少し微笑んでくれた。
あ…、この笑い方、やっぱり優祐だよ。
「やっぱりさおりだ!良かった、間違えなくて。女子はみんな振袖だから、同じに見えるんだよな。でも俺の目はまだまだ狂ってないな〜」
「ホントに……、ホントに優祐なの…?」
「ああ。…久しぶり、さおり」
「うそじゃない…?」
「ウソじゃねーよ。何?俺、幽霊かよ?」
「ごめん。でも信じられなくて…」
そこまで言うと、頬に冷たいものが伝った。
何故か私は自然に涙を流していたんだ。
「そこで泣くかぁ?せっかく振袖似合ってて綺麗なのに、美人が台無しだぞ」
「ごめん…」
謝ることしかできない私に優祐はそっと近付いて、涙をぬぐってくれた。
「俺の方こそごめん。ホントはもうちょっと早めに来ても良かったけど、よく考えたら招待状もらってないし、時間とか全然分かんなくてさ」
「ううん…。いいの。会えただけで嬉しい……」
「なあ、あそこ行こう。花火を見た場所。俺も色々話したいことあるし、さおりもあるだろ?」
「うん…」