改訂版・時間よ、止まれ。
「…ということは、俺達気持ちは5年間変わらなかったってことだよな?なあ、やり直せるかな……?」
「うん。私、ずっとこの時を待っていたから…」
「じゃあ…、告っていい?」
「え?うん……」
何で、告白するのに私の許可がいるのか全然意味が分からなかったけど、優祐はそんな私の「?」な顔には気付かずに深く息を吸った。
「なあ、井上。俺の彼女になって!!」
「え???」
このセリフ……。
確か、中3の時、スタジアムで初めて優祐に告白された時の…?
うそ。
優祐、このセリフ、覚えててくれたなんて。
あの時…、私は何て答えたっけ?
「ほ、ほ、ほ、ホントに私でいいの…?」
優祐の目が真剣過ぎて、思わず目をそらしそうだった。
こんなハッキリ見つめられると、私なんかでいいのかなって思っちゃうな…。
すると、優祐の表情が急に崩れた。
「はははっ!同じこと返してる〜。よく覚えてたな、さおり」
「え?ウソ!?私、あの時も同じこと言った?」
「え!?偶然かよ。逆にすごいけど」
その時、私の肩を抱いてた優祐の腕に力が入って、私はそのまま優祐の胸の中におさまってしまった。
今…、抱きしめられてる。
ホントに、こんな時が来るとは思ってなかったよ。