改訂版・時間よ、止まれ。

恋の第一歩












いよいよ缶蹴りが行われる時間になって、クラス全員が担任の先生の元へと集まった。





「今から、3班の人達が考えてくれたレクリエーションをします。その遊びは缶蹴りです!みなさんルールは分かりますよね?普通の缶蹴りと違う所は、鬼が二人いるところです」






先生が大声で説明を始め、クラスの人達は静かにそれを聞いていた。





「あと、ここだと逃げる場所がかなり広いので、逃げられるエリアを設定しました。さっき班長達が線を引いてくれたエリアです」



「えっ!?」



「あら、新井くん。質問ですか?」





先生の言葉に反応して大きな声を出してしまったらしい新井に、クラスみんなが注目し始めた。





「あ、いや…、エリア広くて鬼二人なら、缶も2つなんですか?」



「いえ、缶は1つでやります。エリアの中央部に円を描いているので、そこに置くようにします」



「はい、分かりました」






まだ私は新井を許してなかった。





考えれば考えるほど、やっぱり信じられない。





私を班長にしたのは新井なのに、何で新井は私の言うこと全然聞かないの!?





言うこと聞かないなら、こっちから無視して気付いてもらうしかないよ。







そういえば新井、心なしか元気がさっきよりなくなってる気がする。





…ああ、サッカー強制的に終了になったからか。





< 24 / 236 >

この作品をシェア

pagetop