改訂版・時間よ、止まれ。
「他に質問はないですか?鬼は男子の班長がやります。先生は審判役ですが、初めに缶を蹴ります。その後鬼が缶を拾ってきて30秒数えますので、その間にみなさん逃げて下さい」
先生がそう言って思いっ切り缶を蹴ると、鬼以外のクラスのみんなはキャーキャー騒ぎながら走り始めた。
「さおり!!一緒に逃げたいところだけど、バラけた方が良さそうだね。他の人達も一人で逃げてるみたいだし」
「そうだね。捕まらないようにね、華恵!」
「もし私が捕まったら、ちゃんと缶を蹴りに来てよ〜」
「もちろん。華恵もよろしく頼むよ」
私と華恵はお互い助け合うことを誓って、別々の方向に走って逃げた。