改訂版・時間よ、止まれ。
鬼役の男子達がみんなを追いかけ始めて2、3分経ったと思う。
まだほんの少ししか経ってないのに、鬼のうち一人が俊足らしくて、早くも7人が捕まり、中央部の缶が立っている近くに集合していた。
「あっ!3班班長、佐藤みっけ〜!!」
「しまったっ!ちょっと待ってー」
「待たねぇし」
鬼と華恵の大声が、こっちまで聞こえてきた。
その声のした方向をチラリと見やると……
鬼の男子がダッシュしていて、それを華恵が追っていた。
もちろん女子である華恵が男子に追いつけるわけがなく……
「はい、缶踏んだ!佐藤、こっちでみんなと待ってて」
「はぁっ!追いつかなかった…。ショック」
全速力で走った華恵は、息を切らせながら捕まった人達のいる所にとどまることになってしまった。
華恵が捕まっちゃった…。
助けに行かなきゃ。
約束したもんね。
でも鬼の男子の一人はかなり足が速いみたいだし、私が捕まったら意味がない。
ここはちゃんと対策を立てていかないと。