改訂版・時間よ、止まれ。





木の陰に隠れながら、私は鬼の二人を観察した。





もしかしたら一人は缶が蹴られないように見張り役をやっているかもしれないと思っていたけど、特にそういう訳でもなさそうだった。








…これはいけるかもしれない。




二人ともが誰かを探している瞬間がチャンスかも。











そして、その時はすぐにやってきた。





鬼の二人が缶から遠い別々の場所で、誰かを探し始めたみたいだった。





そして私は、缶からそこそこ近い距離。






…今しかない!!






私は勢いよく飛び出そうとした。





けれど。





ドスン!







こんな時に限って足が絡まってしまい、私は顔からこけてしまった…。





「…いったぁー」





ああ…、最悪。




何でこんな時にこんなドジ?






身体に痛みが走ったけど、ゆっくり少しずつ身体を起こそうとしたその時、後ろから私に近付く気配を感じた。





まさか…、鬼!?





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