改訂版・時間よ、止まれ。





3年3組。



私、井上さおり(いのうえ・さおり)の名前が書かれた、そのちょうど真上に……






『新井優祐』!!






…完全に見落としてた。





しかも真上ってコトは、出席番号が私の前で…、つまり席が私の真ん前ってコトーーっ!?





「ちゃーんと確認してくれた?…という訳で、今年もよろしくな!井上」





私の前の席に座った新井は、クルリと私の方に振り返り、まだクラス割りのプリントを見つめる私に割り込む形でニヤリとイタズラな笑顔を浮かべていた。







…信じられない。





でもこのプリントを見る限り、どうやら冗談ではないらしい。





だいたい、2年連続同じクラスになる人なんて数えるほどしかいないハズなのに、何で新井がそのメンバーの一員に入ってるのよっ!?






あぁ〜〜〜



3年初めっからついてない。





何でまたこんなヤツと同じクラスにならなきゃいけないのよ?






「…よろしくできるわけないでしょ!……って、あれ?シャーペンが…」





キッと前を睨んで新井に言い返そうと思ったら、机の上に置いてあったペンケースが開いて、いつも使っている黄色いシャーペンがなくなっていた。





もしや…と思い、前の席に座る新井の方を見たら、新井は何食わぬ顔で私の黄色いシャーペンを使っていた。






やっぱり!!



コイツ、3年になっても全然変わってないっ!






「ちょっと、新井!!勝手にシャーペン持ってくんじゃないわよっ!!」











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