改訂版・時間よ、止まれ。
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「じゃあ、斉藤さんって、新井の幼なじみってこと?」
「うん、そうみたいだね。小さい頃から隣同士の家だからね…」
翌日。
2時間目がたまたま自習になり、私は華恵の席に行って、華恵から斉藤さん情報を聞いていた。
華恵が昨日、2組にいる友達から聞いた話によると。
新井と斉藤さんは小さい頃からずっと一緒に遊んでて、親同士も仲が良く、家族ぐるみの付き合いをしていた。
だけど、小3の時に彼女の父親がアメリカに転勤することになった。
その時に日本に帰れるという保証はあったので、家の保管と手入れを新井一家に任せて、斉藤一家はそのまま家族ごと渡米した。
そしてこの度、斉藤さんの父親が日本に戻れることになり、新井の隣の、元いた家に越してきたらしい。
「『帰国子女』だよ?響き良すぎだよね〜」
「じゃあ、英語がペラペラ?」
「そうそう!英語の成績トップ間違いなしだねぇ〜」
…って、呑気に華恵と話しちゃったけど!!
顔もスタイルも、たぶんうちの中学一良くて、英語もペラペラだなんて……、
私にかなうところ、一つもないじゃん!!
「2組は早速大騒ぎになってるよ?あんな美少女、男子が騒がないわけないもんね。うちのクラスでもチラホラ話題になってるみたいだし」
「…だろうね。あんな完璧な人、初めて見たかも」
「完璧すぎでしょ!!」
あんな人が新井の幼なじみ…。
いや、もしかしたら、私が思うよりももっと仲がいい…?