改訂版・時間よ、止まれ。

―――――
――










「じゃあ、斉藤さんって、新井の幼なじみってこと?」



「うん、そうみたいだね。小さい頃から隣同士の家だからね…」








翌日。





2時間目がたまたま自習になり、私は華恵の席に行って、華恵から斉藤さん情報を聞いていた。







華恵が昨日、2組にいる友達から聞いた話によると。





新井と斉藤さんは小さい頃からずっと一緒に遊んでて、親同士も仲が良く、家族ぐるみの付き合いをしていた。





だけど、小3の時に彼女の父親がアメリカに転勤することになった。





その時に日本に帰れるという保証はあったので、家の保管と手入れを新井一家に任せて、斉藤一家はそのまま家族ごと渡米した。





そしてこの度、斉藤さんの父親が日本に戻れることになり、新井の隣の、元いた家に越してきたらしい。








「『帰国子女』だよ?響き良すぎだよね〜」



「じゃあ、英語がペラペラ?」



「そうそう!英語の成績トップ間違いなしだねぇ〜」





…って、呑気に華恵と話しちゃったけど!!





顔もスタイルも、たぶんうちの中学一良くて、英語もペラペラだなんて……、





私にかなうところ、一つもないじゃん!!









「2組は早速大騒ぎになってるよ?あんな美少女、男子が騒がないわけないもんね。うちのクラスでもチラホラ話題になってるみたいだし」



「…だろうね。あんな完璧な人、初めて見たかも」



「完璧すぎでしょ!!」





あんな人が新井の幼なじみ…。





いや、もしかしたら、私が思うよりももっと仲がいい…?





< 42 / 236 >

この作品をシェア

pagetop